僕とハッカーは、教授の薦めでタイ留学に来ていた。
2週間中たった3日間のみのカリキュラムが終わってしまった今、残り10日あまりを自由気ままに過ごすことになり、まさに沈没、ロスト・イン・タイランドなのだ。
※あてもなくその地に長期滞在することを、バックパッカー界隈では「沈没」と言うらしいですね。
あてもなくネットサーフィンしていると…
これから10日間、タイで一体何をしようか、何をすべきかと、
高級ホテルの一室であてもなくFacebookを眺めていると、見覚えのあるヤツが『バンコクなう』的な書み込みをしていたのに気付く。
僕「お、あいつもバンコクにいるのかよ!」
大学生にもなって、短パンと虫取り網が似合うルックス。
そいつのあだ名は、そう、虫取り少年。
過去に僕は、大学1年の時だけダンス系サークルに在籍していた。
(ダンス系といっても、昔ながらの民謡系?的なジャンルなので全然カッコイイものじゃないのです…。)
なんか人間関係がドロドロしていたので1年で辞めちゃったが、
その時に仲良くしていたヤツなのだ。
メッセージを送ってみると、すぐ返事が来た。
虫取り「まじか!じゃあ、今日バンコクの夜を探検しようぜ!」
く〜。懐かしい!探検好きなところは変わってないぜ。
偶然は重なるもの
虫取り少年は、もう1人の男子と一緒に、うちらと全く関係ない留学枠でたまたまバンコクに滞在しているというのだ。
さらに偶然な事に、そのもう一人の男子は、なんとハッカーと長い付き合いの友達だというのだ!
なんて世界は狭いのかと22歳で思い知っちゃったよね。
その男子は、見た目がおぎやはぎの小木に似ているから、以降『小木』としよう。
僕・ハッカー「おー!いたいた!ウワハハ」
虫取り・小木「おー!!ほんとにいた!!」
すぐにその日の夜に4人で落ち合った。
異国の地で、奇跡の再会だ。
バンコク夜の交遊記?
僕とハッカーのホテルがあるアソーク地区というのは、かの有名な「ゴーゴーバー」とかパブが並んでいる歓楽街だ。胸が高鳴るよね。
虫取り「あっち、探検しようぜ!」
僕「出た〜〜〜!!探検出た〜〜〜!!」
とりあえず適当に、美しい女性(一部を除く)が接客してくれそうなパブへ入った。
そこへ、テンションの高いバb…じゃなかった、ママが出迎えてくれる。
ママ「コンニチハ〜〜〜!!ドゾドゾ!!」
やはり日本人はお金持ってると思われているようで、出迎えのテンションがハンパじゃないね。
ママ「カワイイ子、3人カムゥオオオウウン」
僕らに3人の女の子を付けてくれた。
カワイイ子、一人飛ばして、カワイイ子。
と言うのは冗談で、結構3人ともレベルが高い。
タイだから、実はこの子は男でした〜というオチは往々にしてあるのだろうが、全然想像がつかなかった。
中でも1人、トリンドル似のすごい可愛い子がいて驚いた。
だが、その子は日本語でも、英語でも、覚えたてのタイ語の単語を使って話しかけてみても、言葉がわからないという。どうやって普段コミュニケーションとってんだ?
いたずら上手の虫取り少年
やっぱり、こういう場が不慣れなのか何なのか、ハッカーと小木は、なんだかノリが悪い。
それに引き換え、僕と虫取りは、ジャンジャン飲み、ジャンジャン女の子にバドワイザーをおごるのなんの。
そして、虫取り少年のいたずら心は、とうとう頂点に達したのだ。
虫取り「ママ、カワイイ!ビューティフル!!セクシィ!!」
何を思ったのか、ママを褒めちぎりだしたのだ。
それに対してママは…
ママ「Bravo!!!!!!!!!!!!!!!!」
完全にテンションMAX…。
ママ「カモン!カモン!ガールズカモン!!」
そして、お店全員の女の子を僕らに付け、
ママ「レッツ、ダンシング!!!」
虫取り、僕、ハッカー、小木と、お店の女の子8人ぐらいが、
全員カンナムスタイルを踊る…!!踊る…!!
ちゃっかり、小木とハッカーも踊ってるし!
うそだろ…。
本当に謎過ぎる一夜だった…。
カウンターで一人飲みしていた欧米人からの白い目は、一生忘れない。
結局、一人あたり日本円で2万円払わされたのは言うまでも無い。
タイの遊び方、絶対違う気がする。
しかも、虫取り少年は所持金千円あまりしか持っていなかったため、
お金が足りず、僕がホテルの自室にお金を取りに行って建て替えてやった。
千円でよく飲みに出かけたな、こいつ。
研究室とは全く関係ないエピソードですが、
次回もタイで事件つづきなのです。
では、また!!!
>>Next Phase