前回、楽しいリゾート地で開催された国際学会の、やっと学生らしいまともでホワイトな話をしたんですが、
そのちょっと前、新しい先生がうちの研究室にやってきたのです。
新しい特任助教授、ライ先生
ライ先生「アハ。はじめまして。ライです。」
決して、夢の国のキャラではない。声は高いけど。
ライ先生は、中国人なのですが、この研究室の博士課程出身者。
卒業後、民間企業を転々として、特任助教授としてこのラボに舞い戻ってきたという変わり者。日本語はベラっベラだ。
特任助教授の「特任」の冠は、契約社員的な位置付けってことでいいのかな。
更新ありの1年契約?みたいな制度だと思う。
安直すぎる僕のあだ名
この研究室は、遊び心が少ない。
他の研究室だと、コタツとTVとかがあったりするんですよ(笑)
そう感じて、今後の勧誘に向けた人気取りのために、僕は『ゲームブース』を作った!
金だけはあり余っているようで、ラボの物置部屋に大型ディスプレイとホームシアターセットが埃をかぶって転がっていた。立体音響でゲームを楽しめるブースの誕生だ。
そのせいで、僕はライ先生から「おい、ゲーム!」と呼ばれるようになった。
あだ名『ゲーム』って安直すぎだろ!
正直、僕はブースは作ったが、ゲームはほとんどしていないんだけど…。
こんな殺伐とした所でゲームなんかするより、家でやったほうが段違いで楽しいでしょ。
ハッカーはずっとグラセフをやりまくってたけどね。
ハッカー「見て見て!!ホバークラフトが空飛んだ!!あ、人轢いちゃった!ウワッハッハッハッハ!!」
うるせぇよ。てか、チートでゲーム改造するのやめなさい。
そしてある時、
ライ先生「おい、ゲーム!君にこれをあげましょ!」
僕「え?あぁ・・。ありがとうございます?」
どうせゲーム好きなんでしょ的なノリで、なぜかPSPをくれた。
ライ先生「あのね、この中に50タイトルくらい入ってるから。良かったネェ。中国ってね、そういうのいっぱいあるヨ!」
ん?
これはもしや…。頭の中でタイの怪しい電気街の記憶が蘇る。
露店の人「オニイサン、Windows安いヨ!Windows!」
的なあれか??
ダメ、ゼッタイダメ!!
中国はやっぱり無法地帯のようだ。
SONYは、50タイトルも入ったソフトは普通売らないヨ。
脱落者続出!ライ先生の集中講義
ライ先生「アハ。ボクが学生の面倒みますヨ!」
頼もしい。そんな積極的に指導してくれようとする先生は、このラボで見たことがないから、ホント頼もしい。
ライ先生「アハ。明日から集中講義やりますヨ!」
2週間連続で、ライ先生の集中講義が始まった。
僕、ハッカー、ヤンキー。それに1コ下の後輩達が集められた。
しかし…。
ライ先生「アハ。・・・つまり、こういうことヨ。わかった?わかった?」
なるほど!
全くわからん。
我が強い感じの授業。それと比例せず、わかりにくい・・・。
正直何いってんだか本当にわからなかった。
次の日から一人、また一人と生徒は脱落していった。
僕も、
脱落した。
ヤンキー「別に行かなくていいっしょ!」
ハッカー「そうだね。ウハワワ」
というノリが伝染していき、最後、生徒は1コ下の後輩1〜2人だけになっていたらしい。
熱意はあるが、空回りしているライ先生。
次回、果たしてどうなる、ライ先生!
では、また!!!
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