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Phase18 ぼくたちと、ちびっこ先生のブラック戦争(後編)

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前回、僕は窓際の『動画像チーム』の底力をちびっこ先生に見せつけるべく、修士1年の夏前、動画圧縮シミュレーターを爆速なものへと改良することに成功した。

 

結果を出しやすい環境を作ることで、「やるな、このチーム」と認識を改めてもらい、この窓際チームへも指導・サポートを手厚くしてもらおうと考えた。

 

しかし、それを見たちびっこ先生は、認識を改めるどころか、謎の対抗心を燃やしだし、それを超えるものを作り始めた。

そう、僕の作ったシミュレーターを潰しにかかってきたのだった!!

まじでわけわからん!

 

完成の雄叫び

ちびっこ先生は、3日3晩自室に篭っていたようだ。

ゴール君「部屋に行ったんですけど、何かすごい顔でタイピングしてて、相手にされませんでした…。」

とのこと。

 

そして…

ちびっこ「できたっすよ!!これがシミュレーターってもんすよ!!プ〜クスクスクス」

完成したらしい。すごいドヤ顔。そして、いやみったらしい。

なんかムカついた。

 

どっちが真のシミュレーターだ!!

僕のシミュレーターと、ちびっこ先生のシミュレーター、

果たしてどっちが使えるのか…。

 

ゴール君ともみあげに使い方もろもろを説明し、2つを託した。

 

まぁ、でも予想はしていた。

経験・知識で敵う相手じゃない、こっちはただの1学生。あっちは、若くしてのし上がった准教授。

やっぱり僕の書いたコードはつたない…。

さすがちびっこ先生だ、性格は最悪だが、すごく作り込まれている。

せっかく頑張って作ったけど、僕のは破棄しよう。

そう思った。

 

 

…そう思っていたのだが。

ゴール君「あのー、ちびっこ先生の作ったやつ、どこいじったら良いか全然わからないんですけど」

もみあげ「起動の仕方がわかりません」

なんということでしょう?

あと、もみあげ。それは論外だ。

 

そうなのだ。

ちびっこ先生が作ったやつは、20ファイルぐらいで構成され、大変作り込まれたC++のコードだった。

でもだからこそ、一体どこで何をやっているのかが全くつかめないのだ。

まさに、ブラックボックス状態。

 

人が書いたコードほど、わかりにくいものって無いよね。

だからこそ、わかりやすく書かないといけない。

 

 

ちびっこ先生の作ったものは、

試したい計算式に切り替えようと思っても、どこを編集してよいかわからない。

 

一方、僕の作ったものは、

コード自体拙いものの、だからこそ初級者に読み解ける。しかも、「この部分を多分いじれば良いんだな?」というのをわかりやすくしてあったので、試したい計算式にすぐ切り替えることができる。

 

 

拡張性の勝利だった。(いや、初級者ゆえのビギナーズラックか??)

よっしゃー!!!僕が勝ったんだ!

 

ちびっこ先生、敗北を味わう

ちびっこ「なんで私のやつ、皆さん使ってないんですか??プ〜クスクスクス」

情弱か?という目で僕らを見てくる。

 

ゴール君「何ていうか・・・、使いにくいというか」

もみあげ「中身よくわからなくて・・・」

 

ちびっこ「プ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・」

目が血走っていた。やばい、多分絶対怒ってる。

 

ここで、当時尖っていた僕は、とどめの一言を口走ってしまった。

僕「やっぱり、使う人のことを考えて作らないとダメなんすよね〜」

やべ、言ってしまった。正論過ぎる一撃を言っちまった。

 

ちびっこ「プ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

ちびっこ「どうなっても知らないっすよ!!!!」

 

激おこだった。

怒りのまま、扉を「ドンッ!」と相当強い勢いで締め、去っていった。

 

まいったな、今後のことを考えてモノを言うべきだったか。

その後、ちびっこ先生は2ヶ月間ほど口を聞いてくれなくなった。

大人気なさすぎるだろ!

 

 

 

シミュレーターを巡る開発戦争は、僕の勝利で幕ろしたのだが、結果はやっぱりブラック。

ちびっこ先生はふてくされて、余計『動画像チーム』をシカトするようになったのだった・・・。

 

ブラックですね〜〜。

では、また!!!

 

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