前回、僕は窓際の『動画像チーム』の底力をちびっこ先生に見せつけるべく、修士1年の夏前、動画圧縮シミュレーターを爆速なものへと改良することに成功した。
結果を出しやすい環境を作ることで、「やるな、このチーム」と認識を改めてもらい、この窓際チームへも指導・サポートを手厚くしてもらおうと考えた。
しかし、それを見たちびっこ先生は、認識を改めるどころか、謎の対抗心を燃やしだし、それを超えるものを作り始めた。
そう、僕の作ったシミュレーターを潰しにかかってきたのだった!!
まじでわけわからん!
完成の雄叫び
ちびっこ先生は、3日3晩自室に篭っていたようだ。
ゴール君「部屋に行ったんですけど、何かすごい顔でタイピングしてて、相手にされませんでした…。」
とのこと。
そして…
ちびっこ「できたっすよ!!これがシミュレーターってもんすよ!!プ〜クスクスクス」
完成したらしい。すごいドヤ顔。そして、いやみったらしい。
なんかムカついた。
どっちが真のシミュレーターだ!!
僕のシミュレーターと、ちびっこ先生のシミュレーター、
果たしてどっちが使えるのか…。
ゴール君ともみあげに使い方もろもろを説明し、2つを託した。
まぁ、でも予想はしていた。
経験・知識で敵う相手じゃない、こっちはただの1学生。あっちは、若くしてのし上がった准教授。
やっぱり僕の書いたコードはつたない…。
さすがちびっこ先生だ、性格は最悪だが、すごく作り込まれている。
せっかく頑張って作ったけど、僕のは破棄しよう。
そう思った。
…そう思っていたのだが。
ゴール君「あのー、ちびっこ先生の作ったやつ、どこいじったら良いか全然わからないんですけど」
もみあげ「起動の仕方がわかりません」
なんということでしょう?
あと、もみあげ。それは論外だ。
そうなのだ。
ちびっこ先生が作ったやつは、20ファイルぐらいで構成され、大変作り込まれたC++のコードだった。
でもだからこそ、一体どこで何をやっているのかが全くつかめないのだ。
まさに、ブラックボックス状態。
人が書いたコードほど、わかりにくいものって無いよね。
だからこそ、わかりやすく書かないといけない。
ちびっこ先生の作ったものは、
試したい計算式に切り替えようと思っても、どこを編集してよいかわからない。
一方、僕の作ったものは、
コード自体拙いものの、だからこそ初級者に読み解ける。しかも、「この部分を多分いじれば良いんだな?」というのをわかりやすくしてあったので、試したい計算式にすぐ切り替えることができる。
拡張性の勝利だった。(いや、初級者ゆえのビギナーズラックか??)
よっしゃー!!!僕が勝ったんだ!
ちびっこ先生、敗北を味わう
ちびっこ「なんで私のやつ、皆さん使ってないんですか??プ〜クスクスクス」
情弱か?という目で僕らを見てくる。
ゴール君「何ていうか・・・、使いにくいというか」
もみあげ「中身よくわからなくて・・・」
ちびっこ「プ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・」
目が血走っていた。やばい、多分絶対怒ってる。
ここで、当時尖っていた僕は、とどめの一言を口走ってしまった。
僕「やっぱり、使う人のことを考えて作らないとダメなんすよね〜」
やべ、言ってしまった。正論過ぎる一撃を言っちまった。
ちびっこ「プ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
ちびっこ「どうなっても知らないっすよ!!!!」
激おこだった。
怒りのまま、扉を「ドンッ!」と相当強い勢いで締め、去っていった。
まいったな、今後のことを考えてモノを言うべきだったか。
その後、ちびっこ先生は2ヶ月間ほど口を聞いてくれなくなった。
大人気なさすぎるだろ!
シミュレーターを巡る開発戦争は、僕の勝利で幕ろしたのだが、結果はやっぱりブラック。
ちびっこ先生はふてくされて、余計『動画像チーム』をシカトするようになったのだった・・・。
ブラックですね〜〜。
では、また!!!
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